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花見かき

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宮古発・カキの新ブランド

宮古市赤前地区の堀内漁港地内にあるカキの作業所。ここでは6世帯ほどの地域の人がカキの生産を営んでいる。近年ここで生まれるカキが注目を浴びている。その名も「花見かき」で、ここの生産者の一人で県指導漁業士でもある山根幸伸氏(51)が中心になって取り組んでいる。
一般にカキは秋、冬の食材と思われがちだが、桜が咲く4~5月頃が一番美味しいという。その旨味を生かして何か地域の特産品を作りたいと考え、平成14年に県地方振興局の宮古・下閉伊モノづくりネットワークの設立と共に、この「花見かき」の生産に乗り出そうと活動を始めた。花見かきは2年育てたマガキを通常の時期に一旦水揚げし、その中から形状のいいもの、殻のより厚みのあるものだけを選別する。その選別したものをさらネットに入れて再び海に戻すという方法をとっている。 4月、宮古湾には雪解け水などと共に山からたくさんの栄養分が川を伝って運ばれてくる。湾内には多くのプランクトンも発生し、それらミネラルをたっぷり含んだカキは通常出荷される身の3倍ほどの大きさに成長し甘さがぐっと増す。それを火で炙り、焼いて食べると程よい甘さが口の中でとろける。
こうして作られたカキは「春のたよりの花見かき」としてブランド化し平成16年から販売をスタートした。最初はなかなか浸透しなかったが、次第に評判となり内外から注目を浴びている。三陸鉄道を使った試食イベントも企画されたり、多くのメディアにも取り上げられるようになってきた。しかし、花見かきとして生産できるのは全体水揚の10%から15%ほど。時間と手間をかけて、とりいいものだけを作り出すため大量生産はできない。

発送はしない。宮古に足を運んで食べてほしい

花見かきは現在、市内の一部のホテル、飲食店に卸すのみで、食べたい時はこれらの施設や各種イベントなどに足を運ぶしかない。数が少ないだけに販売が開始されるとあっという間に売り切れる。テレビなどにも取り上げられ発送してほしいとの問合せも数多くあるが、生産者は「発送はしない。宮古に足を運んで食べてほしい。それが地域の活性化にもつながる」と話している。

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