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竜宮信仰

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冥界の先に海の桃源郷がある。竜宮信仰

海の底に異界があり人が何かの偶然で異界と接触したことによって霊力や富を得るのではないか?というのが竜宮信仰だ。竜宮とは八大竜王の中の海底を司る娑伽羅(しゃから)という竜神が治める海底の世界で、この世界と漁師が接触するのが有名なお伽噺の『浦島太郎』だ。亀を助けて竜宮城で楽しく遊んで戻ったら知らぬ間に年月が過ぎていた…という一般的な物語は子供向けにアレンジされたものだが、黒森神楽の演目『浦島』では漁に出た美男の若者が烏帽子、金の盃、そして美しい姫を釣り上げ、姫の誘いで海底へ行くと竜神が現れ若者は竜神の娘の婿になる。若者は海底で暮らすが次第に陸が恋しくなり姫に打ち明けると姫は玉手箱を渡す。あとはお伽噺同様、箱をあけた美男の若者は老人となってしまうのである。これらの竜宮伝説は海での死者の遺体が見つからなかったり、逆に水死体として見つかったりした際に語られたもので、漂着神のえびす信仰、海上からの目印としての山岳信仰、水神信仰などが複雑に融合したものだ。

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