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宮古湾

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宮古港の開港

南部27代藩主利直は、魚塩の供給が乏しいと城下の繁栄は望めないと考え、領内の要港を調べた結果、宮古を藩の外港にすることを決めた。元和元年(1615)に、慶長16年(1611)の大津波の巡視に訪れた時には、宮古に20日も滞在し、町割りを定めたり、藩船の建造を進めさせた。元和2年(1616)に、鍬ヶ崎に藩船2隻(宮古丸・寅丸)が配備され、沿岸の防備(軍船)と貨物の便(商船)に用いられた。この経緯は、大正4年(1915)9月に開港300年を記念して常安寺門前の天満宮境内に建立された、開港記念の碑に刻まれている。 なお、記念碑はその後移設され、現在は本町にある宮古浄水場の庭にある。その後、宮古港は長崎俵物などの移出港として発展した。享保年代(1716~1735)の御領内物産取調書によると、鰯メ粕、鰯油、干鱈、鮭塩引、煎なまこ、丸干鮑、塩鰹、鰹節、昆布、布海苔などがみられる。江戸と松前(北海道)間の要衝である宮古港に、船舶の寄港が頻繁になった幕末には、南部領内で一番の繁華地として、宮古の情緒は遠くにも宣伝されるようになる。
【参考資料】宮古のあゆみ:宮古市(昭和49年3月)

宮古港の近代化

明治12年(1879)、篠民三や菊池一族が閉伊川左岸の埋立工事を始め、明治15年(1882)に宮古橋下から河口までの船着場が完成した。これが、県で初めての公有水面埋立工事で、宮古港修築の基といえる。明治21年(1888)には、早野民之助が塩釜との定期航路を開き、その後函館への定期航路も開かれる。また、大正5年(1916)には鍬ヶ崎町営による鍬ヶ崎の埋立工事が始まり、翌6年(1917)に完成したことで船舶の接岸が便利になった。大正10年(1921)に内務省の港湾調査会は、塩釜と青森の間に第二種重要港湾を一ヶ所指定することになり、指定獲得運動の結果、昭和2年(1927)10月に宮古港が第二種重要港湾に指定された。また、同年に宮古町営による鍬ヶ崎の前須賀、角力浜の埋立工事も完成した。さらに、内務省の第二種港湾修築計画による工事が昭和4年(1929)4月に始められ、昭和12年(1937)に竜神崎防波堤、出崎ふ頭の一部などが完成したことにより、近代港湾の形を整えるようになった。昭和26年(1951)1月、宮古港は港湾法による重要港湾に指定され、第二期修築工事に着手した。また、昭和27年(1952)に出入国港、28年(1953)に木材輸入港、そして昭和29年(1954)7月には開港場に指定された。その後、昭和31年(1956)9月に大豆輸入港、36年(1961)10月に検疫港、昭和43年(1968)10月には植物防疫港に指定されている。これまで、鍬ヶ崎地区を中心に進められていた港湾の整備は、昭和38年(1963)7月に宮古港整備計画が改訂されたことで、藤原・神林地区を中心に進められることになる。昭和43年(1968)3月に神林木材港が完成し、44年(1969)6月には藤原ふ頭の起工式が行われ、その後の整備により現在の宮古港が作られたものである。現在は、平成7年(1995)3月に策定された、宮古港マリン・タウン・プロジェクトにより、出崎ふ頭をはじめとする鍬ヶ崎地区の再整備を中心に、港湾の整備が進められている。
【参考資料】宮古のあゆみ:宮古市(昭和49年3月)

客船寄港

宮古港には古くから多くの船が寄港しているが、客船が寄港するようになったのはつい最近のことである。平成元年(1999)9月に寄港した、陸中・釧路交流の船「にっぽん丸」が本格的な客船寄港の始まりといえる。平成4年(1992)に開催された三陸・海の博覧会の会期中にも、豪華客船「飛鳥」をはじめとする多くの客船などが寄港し、藤原ふ頭は賑わいをみせた。客船が寄港する際には、太鼓や踊りなどの郷土芸能の披露、多くの市民による盛大な歓迎が行われ、乗客らを楽しませている。客船のほかにも、東京・釧路間の定期フェリー「サブリナ・ブルーゼファー」は、中学生の修学旅行、市が実施した「親子ふれあいの船」として寄港した。また、運輸省航海訓練所(現 独立行政法人航海訓練所)の帆船「日本丸」が昭和61年(1986)の県立水産科学館の落成と、平成7年(1995)の国立公園指定40周年を記念し、同「海王丸」が平成3年(1991)の市制施行50周年(旧宮古市)をそれぞれ記念し寄港した。平成13年(2001)には宮古港開港みやこ385周年を記念して、南極観測船「しらせ」、豪華客船「飛鳥」、「ふじ丸」、国内最大級の大型巡視船「ざおう」が入港し、そして帆船「日本丸」と「あこがれ」が2隻同時入港するなど、日本を代表する船舶が多数寄港し、宮古港は大いに賑わった。平成18年(2006)9月には同年3月にデビューした豪華客船「飛鳥」が宮古港発着の北海道・釧路へのチャータークルーズとして寄港する。
問合せ:宮古市商工課 0193-62-2111 テンプレート:しるしる

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