宮古弁講座初級編
会話の基本はまず挨拶からで、出会いを和やかにしてくれます。宮古弁の挨拶の基本は、~ゴゼンス(ございます)だ。
朝は、オハヨゴゼンス(おはようございます)、あるいはオハヤゴゼンスになる。 最近は都市化が進み、団地などでは標準語の挨拶になってしまったが、ひと昔前ならキスパマ(漁村)にはキスパマの、マヅバ(市街地)にはマヅバの、農村には農村の挨拶があった。 昼は、普通こんにちはだが、宮古弁でそれに相当するのはオガセゲンセ(仕事に精を出してください)であろう。 仕事の合間にどこかで会ったら、とにかくオガセゲンセと声をかければいい。 夜は、オバンデゴゼンス(こんばんわ)、別れるときにはオヤスメンセ(おやすみなさい)が一般的。 お礼は、オオキニ(ありがとう)、またはドウモオオキニ(どうもありがとう)になる。 これに敬愛の念を入れると、ドウモオオキニネンスで、どうもありがとうございましたという意味になる。
~ネンスは、~ですねという装飾で、相手に対して敬愛を示すとともに、次の会話への導きをする独特の言葉だ。
相手と別れるときは、サイナラ(さようなら)が普通で、相手とツカスー(近しい、親しい)ときには、ホンデー(それじゃあ)あるいはホンデバになる。
遠方から訪ねてきた大切なお客様が帰るときには、玄関口でオヨーデンセと声をかける。 これは、用事があったらまたお出かけ下さいという意味で、宮古弁でもかなり高級な敬語的表現である。 また、お客様が来るときはオデル(おいでになる)、お客様に来て下さいはオデンセ(おいで下さい)になる。
食べ物を勧めるときは、オワゲンセ(お召し上がり下さい)、食べ終わったらゴッツォーサン(ごちそうさま)になる。 お土産などを持たせるときには、オモゼンセ(お持ち帰り下さい)だ。
ミヤゴハ、イナガダードモ、サガナークイサ、マダオデンセ(宮古は田舎ですが魚を食べにまたいらして下さい)となる。